先日あるお店で買った指輪がすぐ曲がってしまい直していただいてもまた曲がってしまいました。どうしてでしょうかと質問をいただきました。原因は二つあります。

一つ目は指輪の厚みが足りないことです。
お店などによっては指輪の一番薄いところで1mm以上と規定を設けているところもあります。ある程度の厚みがあり鍛造(たんぞう)製法で作った商品は強度になり曲がりにくくはなっています。しかし、金、プラチナ、銀等貴金属は伸びる要素を持っており、それが産業分野でも貴重品として扱われています。相当厚く作っても長い年月着けていると指の形の楕円になってきます。このような状態を展延性(てんえんせい)と言います。指に馴染むと私たちは言います。

二つ目は金、プラチナ等の地金が鈍(なま)っている状態であること。鍛造(たんぞう)製法で作る状態では焼(やき)が入った状態の製品ですが、鋳造(ちゅうぞう)など型に流し込んで制作している指輪などに鈍した状態のまま意味が解らず製品になっているものもあります。よくある例はお店にある商品にサイズ直しをすることがあります。サイズ直しは指輪を切断して地金を足すなり、減らすなりして火を入れます。火を入れ熱が入るので必然的に鈍した状態になります。もともと金属の工程の用語ですが、一般でもよく使われ、最近、彼はたるんでいるので焼を入れてやる、とか鈍ら(なまくら)な包丁、とか怠け者でだらしない人などを鈍らな人とか使います。ある程度の厚みと、焼の入ったもの、鍛造製品、できればサイズ直しをしない製品であれば通常の生活では耐久性のある指輪と言えます。

鍛造リング
鍛造リング
鍛造リング

甲丸型(断面が半円)ですと幅3mmで厚み約1.3mm位、幅3.5mmで厚み約1.5mm位、幅5mmで厚み約1.8mm~2mm位が目安です。
平打型(面が平ら)ですと各幅で一般的に薄いもので厚み約1mmです。0.7mm厚、0.8mm厚の商品もありますが、指輪が変形しやすいので厚み1mm以上あったほうが良いでしょう。少し厚くして程よい厚みが1.3mm厚位です。やや厚みをとりボリュームを付けるのには厚み約1.5mm位取るとよいでしょう。またボリューム感たっぷりの厚みには1.7mm~2mm厚になると存在感ある指輪になります。
平甲丸型(甲丸と平打ちの中間でなだらかな山のライン)真ん中の厚みが1.1mm~1.3mm位がスリムの一般的です。厚みを持たせるボリュームタイプですと、厚み1.5mm~1.7mm位になります。幅の広いものなど2mm~2.5mm位持っていくものもあります。形状的にも存在感のあるボリュームが人気のある指輪です。厚みはどの形状でも2.5mm位の厚みが限度で3mm以上の厚みになると指が開いてしまい、指が合わさらなくなってしまいます。
甲丸、平打、平甲丸型、以上のような厚みを参考に決めるとより指に馴染んだ指輪になります。

リングの厚み

マリッジリングを作る場合、重さを調整して幅、厚みを保ち、バランスよく指輪つくれます。2本のリング、サイズが違っても、リングの幅だけでないペアリング完成となります。