鍛造(たんぞう)とは、金属加工の塑性加工法の一種。金属をハンマー等で叩いて圧力を加えて変形させる手法です。古くから刃物や武具、金物などの製造技法として用いられました。金属を叩くことで内部の空隙をつぶし、結晶を微細化し、結晶の方向を整えて強度を高めると共に目的の形状に成形する。また、金属を叩くことで内部の不純物を除去するとともに炭素元素を外に排出して組織が緻密になり、鋳造に比べて鋳巣(空洞)ができにくいので、強度に優れた粗形材をつくることができます。

難しくなりましたが簡単に言うと鍛造とは、金属を叩いて圧力を加えることで強度を高め、目的の形状に成形する技術です。鍛造は金属をハンマーやプレスで叩くことで内部の空隙をつぶし、結晶を微細化し、結晶の方向を整えることで強度が高まるのが特徴です。

私たち日本で誰もが知っている究極の鍛造製法は刀を作る刀鍛冶です。映画やテレビで見たことがあると思いますが、材料の鉄である玉鋼(たまはがね)を火に入れ叩いては延ばし、また火に入れては叩いては延ばす鍛錬(たんれん)と言う作業をします。玉鋼の不純物を取り除き、炭素量を均一化して強度を高めるための作業です。それからいくつかの工程を得て焼き入れをします。火入れをしながら刀の色合いを見定め一気に水で急冷します。焼き入れと呼びます。この後、研師(とぎし)による研ぎに手渡されます。日本刀は「折れず、曲がらず、よく切れ、美しい」という世界でも類を見ない優れた特性を実現しました。

大まかにいうとプレス製法も鍛造製法と呼びます。何トンいう重しをプレスします。当社の製法は刀を作るよう一本一本地金(金、プラチナ、銀)の火入れし色合いを見ながら叩いては締め、叩いては締めを繰り返していきます。地金の顔色や機嫌を見ながら進めるといいます。時には言うことを聞かず思うようにいきません。地金が割れてしまったりザクザクになってしまったりします。一日置いて、その地金に新たな地金を足し溶解し直すと実に素直に鍛造の作業が進んだりします。私たちは馴染むと言います。当社の鍛造製法はこのように一本一本、時間がかかっても作ることに専念しています。

鍛造製法に対比してジュエリーを作る製造方法に鋳造(ちゅうぞう)製法があります。ほとんど90パーセント以上のジュエリーが鋳造(ちゅうぞう)製法で作られています。鋳造はキャストとも呼ばれ型に溶解した地金(金、プラチナなど)を流し込んで作る製法です。ドロドロに溶かした金属を型に流し込んで成形します。メリットは複雑な形状でも容易に加工でき、大量生産を同寸法、同重量でできることです。デメリットは地金の持っている本来の硬度で鍛造に比べ柔らかく、型への流し込みみの為、スと言われる空洞気泡ができることです。

鍛造(たんぞう)製法は圧力を加える過程で、金属中の気泡が減少し、ハンドメイドで仕上げるため、なめらかな着け心地になります。鍛造製法のデメリットは機械工具を使って作るのと違って量産が出来ないことや、いっぺんに数十本もできないのでコストが鋳造と比べると高くなってしまいます。ジュエリーは永遠のものだと思い古来エジプトや世界遺産の中から出土してくるような素晴らしい商品を作りたいと思っています。

鍛造風ではなく一個一個金やプラチナを溶解して、火入れしては叩いては延ばし、火入れして叩いては延ばしを繰り返し、古来刀鍛冶のような作業を経た本格の鍛造製法にこだわり焼き入れしてから形状を整えヤスリだけで仕上げてから磨き上げていきます。愚直に時間をかけて一本一本地金の様子や機嫌を見ながら作っていきます。密度が締まり硬度があり、締まっているため滑らかさと、金やプラチナの美しさを最大限に引き出しています。