お客様の質問をお答えしていきたいと思います。

Q:純金が非常に柔らかくそのままではジュエリーには向かないため割金をするk18やk22などがあること、鍛造と鋳造があること、鍛造といえど指輪の厚みや形状などに強度が影響されることなどがわかりました。純金の鍛造というのは、具体的にはどれくらいの強度になるのでしょうか?もともと強度が高いk18の鍛造よりは劣るのかなと思いますが、実際どれくらいなのかが分からずにいます。変色等の心配がほぼなさそうな純金や金の含有量の多い割金には惹かれるのですが、強度はあってほしいなと思っているので何がいいか悩んでおります。

 

A:純金そのものは柔らかく伸びる為、其の性質を生かして細い線を引いたり、薄く延ばし金箔のようにしたり用途がたくさんあります。それを展延性と言います。
指輪もそのまま作ったとすると簡単に指で曲がってしまいます。金属の硬度の目安をビッカース硬度という数値を使いますが、難しいので感覚としてとらえてください。
HVで表します。ハードビカースの記号です。純金はそのままですと約HV30前後が一般的です。しかし熱処理等の加工効果で約HV50~60まで高めることができます。一般的にジュエリーのほとんどはキャスト製法で鋳造(ちゅうぞう)である型へ流し込んで作るのが一般的です。HV50~60位しか硬度がありません。ジュエリーには向いていません。

K18は金75%に銀と銅を25%混ぜた合金です。25%の割合のうち銅の割合を多くすると硬度が高くなります。25%の割がねと呼びますが5.5銀:4.5銅の比率の25%にすると一般最も多いイエローゴールドと呼ばれる18金になります。キャスト製法でHV120位になります。指輪などでは硬い製品と認識されています。銀を4:銅を7の比率にするとピンクゴールドと呼ばれもっと硬くなります。金の品位が下がるり(K14,K10のように)割がねに銅の比率を多くすると益々硬くなります。

プラチナの製品はキャストで純PtもPt900もほぼ同じで約HV90~100ぐらいです(多少900の方が硬いですが)。純金も鍛造(たんぞう)製法で火にいれ叩いて締めて、火に入れて叩いて締めるを繰り返すことにより刀を作ると同じように熱処理と締めることによりHV90位になり、ほぼプラチナ製品と同じ位になります。指輪としての機能はほぼ問題ありません。但し金もプラチナも先程お知らせした展延性と言う性質があり使い込むと指に馴染み楕円に少しずつ変化することもあります。これは貴金属特有の素晴らしい性質です。当然、形状と厚みを考慮するとより一層しっかりした指輪が出来ると思います。簡単に言うと一般に販売されているキャスト製法のプラチナ製品とほぼ同じと考えて頂いてよいかと思います。

鍛造製法リングは、密度、硬度あるリングに完成されます。