ロシアの町の話です。大ウラル山脈にある小さな町のエカテリンブルクの鉱夫たちにとって、1839年4月29日はいつもと同じように始まりました。彼らは早い朝食をとり、それから、近くのエメラルド鉱山に出かけました。エメラルドを求めてペグマタイトの壁を掘り進んでいくうちに緑色の結晶を見つけました。その結晶は平たく、端に切れ目が入っているものでした。その夜、その結晶の話になり、一人の鉱夫が石を取り出し、ランプのそばに近寄った時です、その結晶は赤色をしていました。とても不思議と驚きを覚え、朝まで待って又これが緑色になるか提案しました。次の朝、石は再び緑色になっていました。この鉱夫達の発見した石は世界でも最もすばらしい宝石となりました。これはロシアの皇太子アレキサンダー・ニコラヴィッチ伯爵、後のツアー・アレキサンダー二世の名にちなんでアレキサンドライトと名づけられました。この発見は21歳の誕生日になされたからといわれています。アレキサンドライトの色が変わるのは石を照らしている光の種類によることを明らかにしています。太陽光で見ると青緑色で、人工燈でみると紫赤色に見えます。それがどうしてそうなると疑問に思いますが、光は虹のような色々の光で出来上がっていて異なる鉱物は異なった色を吸収するとありますので、アレキサンドライトは赤と一部の青と緑以外のすべての色を吸収します。そこで、日光では赤色より強い青い緑が昼間の色になり人工燈からの光では青や緑よりも強い赤色がこの宝石に夜の色を与えているとなります。
【北からの光】ご存知でしょうか。北からの光は青と緑が強く対象物のいろが一層はっきりしていると画家は絵を書くとき好むといわれていますが同じ理由で宝石商も宝石を調べるとき北からの光を好みます。

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