延性とは伸延の延でよく引き延ばせるという意味です。1gの純金を線に引き伸ばすと太さ5ミクロン(1mmの1000分の1現在は5μmと書きマイクロメーターと読みます)人間の毛髪が60ミクロンと言われていますから、いかに細くひきのばせるかわかります。金の性質を利用して作った太さ2.5ミクロンのボンディングワイヤーというものがあります。半導体の配線に使われるものです。工業的には純金というと99.99%、フォアナインと呼ばれ一般的に要求させています。普通の電気配線に使われている同線だと、いずれ、線が腐食し配線が切れたり、電流が流れにくくなってしまいます。金はこのようにエレクトロニクスにも使われています。

展性でいうと純金の場合、1gで4900平方センチメートル、畳約3分の1位の大きさに広げることができます。厚みが0.1ミクロン、これは1mmの1万分の1の厚さです。この性質を利用して金箔を作る事が出来ます。金屏風に使ったり、お酒の中に入れたり、ケーキの飾りに使われて使われています。金箔の品位は22金程度で、純金に銀と銅が両方で1割程度で混ぜてあり厚さは0.2ミクロンということです。金のような希少性の高い、つまり高価な金属が安価に使えるのもこの展性のおかげとなっています。この金箔が作れるからこそ、美術、工芸の世界で金を使うことが可能になり宗教的、建築的にも金が大きな面積としてつかわれることになったといわれています。金閣も金の性質がなかったら実現しなかったのではと言われています。他に日本では硯箱のように漆の世界に蒔絵、截金(きりがね)として工芸品に使われ、仏像等にも使われています。

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純金はジュエリー加工性が難しと言われています

純金は非常に柔らかくジュエリーには加工性も難しく、日常使いにおける耐久性も難しいとされています。鍛造という技法(金属をハンマー等で叩いて圧力を加える事で、金属内部の空隙をつぶし、結晶を微細化し、結晶の方向を整えて強度を高める)古くから刀工が日本刀など刃物や火縄銃の銃身の製造技法として用いています。鍛造製法を用いていますので密度、硬度ある製品完成させています。一つリング槌目デザインは上記の展延性ということがありますので純金の槌目デザインはNG。K18は25%合金が入りますので槌目デザインは密度ある製品で製作しています。

槌目デザインとは、鍛造製法で製作したリング表面、印台リングの場合、両サイドにハンマーを使い叩きデザイン。

鍛造槌目リング
鍛造槌目印台