たいていの鉱物は結晶を作ります。結晶は平らな面でかこまれた対称な個体であり、結晶の型には、次のような6つの基本的な形があります。【等軸晶系(ダイヤモンド)】【正方晶系(ジルコン)】【六方晶系(ベリル)】【斜方晶系(トパーズ)】【単斜晶系(ダイオプサイド)】【三斜晶系(ラブラドライト)】このような結晶のかたちは非常に大切です。

ダイヤモンドは100パーセント炭素から出来ていますが、えんぴつのシンを作る軟らかい鉱物、黒鉛も同じように100パーセント炭素から出来ています。なぜこれら2つのものは、同じ炭素から出来ていながら一方は硬く透明であり、他は軟らかく不透明なのでしょうか。ダイヤモンドと黒鉛とでは炭素原子の配置がが全く違っているということです。ダイヤモンドは炭素原子が等軸晶系をしており、黒鉛では六角形をしています。等軸晶系の構造では炭素原子はぞっと密につまっており、このことがダイヤモンドの非常な硬さということです。

多くの鉱物では、原子はある一つの方向のものどうしで特に強く結合し合っていて、他の方向には弱い力で結びついています。したがって、この弱い方向の面に沿って鉱物はわれやすくなるわけです。このような性質は宝石を研磨するときに大切な条件となります。ダイヤモンドは一つの結晶方向にのみ劈開します。劈開させるときには正しい方向を注意深く選ばなければガラスのように粉々に砕けてしまうかもしれないといっています。今までに見つかった最大のカリナン・ダイヤモンドを研磨する時、専門家はこの原石をどのように劈開するかを決めるためになんと9ヶ月費やしたそうです。

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